2008-07-05(Sat) 11:18:38
志賀直哉『暗夜行路』(前・後編) 岩波文庫、1938
長いです。 主人人公の時任謙作の行動・心理に苛立ったり、妙に共感したり、 するのは、自分と似たところがあるからでしょう。 人に強く意見されると、それが良いと思っていても、 ついつい別な行動をしたり、 人に囲まれて、人におっくうになって逃げ出したくなったり、 こんな主人公の行動に、共感してしまいました。 これは、もともと、『時任謙作』という作品があって、 それに後編を付け足したので、なんとなくちぐはぐな感じがあります。 主人公の出生の暗さが、あんまり後編や行動に結びついていません。 ところどころ、無理矢理つなげた感があります。 解説にある、 「或る平安の境地に達するまでの内的発展の過程」は 上手く表現されています。 とくに、最後に、山に篭る情景は、丁寧に描かれ、 「平安の境地」「内的発展」が分かりやすく、伝わってきました。 |

